▼ F I R S T
本作品は、今から 「 100年後の未来 」 が舞台になっています

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「ルナティックの盤面(ばんめん)」は、キャラクター達がたどる ” 人生 ” を「盤面」に例え、
彼らの人生を脅かす存在を ” 狂人 ”「ルナティック」と位置付けています。
この ” 狂人 ” とは、本作の社会の裏側に存在する闇(本作では、” 政府 ” や ” 組織 ” と呼んでいます)
であり、現在から100年後の未来という社会で本作のストーリーは展開していきます。
▼ 初期設定 : 「 サヤカ・レイジ・トモエ 」 ( ディザーサイト公開時 )
→ レイジが誰かを殺したかのように見える構成にしました

100年後の未来と言うのは、あくまで私の想像ですが、人口が5千万人を大きく割り込んだ社会の中、
この国が生き残るためにはどうすべきか……トップ(政府)がもし闇の方向へ舵を切ったなら
本作のキャラクター達のような境遇を生み出すことになるのかもしれないと考えながら、台本を練りました。
全体としてかなり恐ろしく、残酷な内容になっています。
聴いて頂いた皆様それぞれの捉え方があり、賛否あることだと思っていますが、
印象に残ったキャラクターが1人でも2人でもいたならば、
「私なら~~こういう風にはしない。~~こういう風にするだろう」とか、
いろいろな人の目線になって考えて、皆様の次の想像・創造につなげて頂けたらとても嬉しいです。
毎回、制作にあたり
資料・文献はある程度 参考にしてますが、専門家の方々から見れば知識不足・稚拙な点もあり申し訳ありません。
つたない部分も沢山ある中、CVの皆様、そして使用させて頂いた音楽・効果音のご提供者様、
スタッフに救われました。
最後までお聴き頂いた皆様も、本当に有難うございました。
(諸星)
レイジ と トモエ は、それぞれ 「 脳の3分の1 」 が
サヤカ の脳に移植されています
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カズヒトの実験により、
レイジとトモエは、それぞれ「脳の3分の1」がサヤカの脳に移植され、
サヤカは、もともとあった彼女自身の「脳の3分の2」を失った状態にあります。
これにより、3人は視覚や痛覚などの五感、それから思考・意識・記憶を共有できるようになってしまったのですが、
問題なのが、その共有が「双方向ではない」ということです。
サヤカの脳内は、3分の2をレイジとトモエの脳が占めているので
サヤカが、レイジやトモエ達の思考を一方的に覗(のぞ)いたり、意識を乗っ取ったりすることはできません。
レイジやトモエ単体にも同じことが言えます。
しかし、レイジとトモエが結託すれば
サヤカを意のままに操る(支配する)ことが可能です。
本作中では、彼らはサヤカの記憶の操作も行っています。
ただ、トモエが「仲間割れは、サヤカの支配に影響が出る」とレイジを窘めるシーンがあったように、
あくまで二人が結託(協力関係)でなければサヤカを支配できないというのが、
本作の彼らを理解する上で最難関だったように思います。
▼ キャスト様への事前配布資料 : サヤカの脳移植のしくみ

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キャラクターが言っている事を本作中ですべて聞き取ることができれば
大体のことは合点がいくように構成しているつもりですが、
私ですら1回聞いただけでは理解に難しい(おそらくシイナ達がクロキ医院を訪れる手前の話で、限界)です。
「一言一句 聞き漏らすことができないボイスドラマ」になったようにも思いました。
私もいままで沢山のボイスドラマを聴いてきましたが、今回はそう言った意味でかなり
特殊な作りになったと思います。
「 二人の騎士(ナイト) 」 とは、” レイジ と トモエ ” ではなく
” レイジ と ミギワ ” のことです
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「二人の騎士に、お気をつけて……」
クロキは「”二人の騎士”とは、一体 誰でしょう……?」という謎かけと、
(女性であるトモエに対して皮肉の意味もあり)シイナにこの言葉を送っています。
騎士(ナイト)は”男性”を意味するので、
「二人の騎士」は レイジと、レイジ達に隠れ家を提供するなど裏からサポートをしていたミギワでした。

ミギワは、何に関しても優秀で完璧すぎるが故に、
若くして人生の幕引きにもためらいがない人物でした。
「普通の人」は、それぞれ程度は違えど平凡と非凡を合わせ持っていて、
社会生活の中で劣等や承認欲求を抱えながら、それらを糧に成長していく……のが本来だと思います。
であれば、生まれた時から完璧でその先 もう伸びる余地が無かったのなら(恐ろしいことですが)
どういった行動を取るのかを考え、私なりに彼の結末を決めました。
私は努力した者が報われる社会であってほしいと思っていますが、
自分の意に反して、生まれた時から優秀でありすぎると言うのは……
羨ましさ半分・恐ろしさ半分、と言う感じがします。
もしミギワの立場であったなら、視聴者様はどうされますか……?
……それにしても、ミギワが生きてレイジ達の仲間になり、一緒に行動していたとしたら、
この三人……行動面・情報面・頭脳面と
ものすごく盤石なチーム(仲間?)だったんじゃないかと思います。
▼ キャスト様への事前配布資料 : キャラクター相関図

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キャラクターデザインの話をすると、
初期の段階で”二人の騎士”は、「レイジとミギワ」になるように決めていたので、
雰囲気は違えど 2人ともどこか似ている部分が出せたらなと思い、
レイジが髪を下ろすと、ミギワと同じくらいの長さになるようにデザインをしました。
ちなみに、レイジは”カズヒト似”、トモエは”サヤカ似”、アリスは”トモエ似”となるように
しました。(そう言われてみれば……くらいには似ていたらいいかなあと思いますが)
その他、細かい所でつながりやモチーフを持たせたりしてますので、
気になった方がいれば、ぜひ探して頂けると嬉しいです。
” 死にたい ” と思っていた サヤカ を ” 死なせない ” ことが
レイジ と トモエ の サヤカ に対する 「 支配 」 です
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レイジとトモエの台詞からは、サヤカに対してかなり執着があるように見えますが、
本当に彼らの身勝手だけでサヤカを操りたかったのなら、
サヤカをどこかに閉じ込め、他人と触れさせないことぐらいは容易にできたのに、そうしていません。
シイナも言っていたように、レイジとトモエは、
牢獄から抜け出せたサヤカに短期間ではありましたが平穏な日常を送ってもらいたいと
クロキ医院から見守っていました。
サヤカに身の危険があることは承知の上で、ある程度の運命はサヤカ自身に任せているような所が彼らにはあります。
また、サヤカの寿命は 実験の後遺症で長くなく、
時折 感じる激しい痛み(痛覚)はすべてトモエが引き受けていました。
死にたいと思っていたサヤカとは対照的に、レイジとトモエは自分達をこんな目に遭わせた元凶に復讐するべく
生きることに何より重きを置いています。
本作の終盤、レイジとトモエから記憶を戻されたサヤカは、カズヒトを殺してしまった事実やこれまでの苦しみから
逃れたいと思っており、サヤカから見れば
彼らの望み(サヤカがどのような状態であれ生きること)はあまりにも辛いことのように思います。

アリスは 、レイジ と トモエ の 「 子供 」 であり
サヤカ の脳が全移植されています
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レイジとトモエは、カズヒトとサヤカの「子供」です。
サヤカとそう歳も離れていないように見えますが、
本作中の『時枝邸親族失踪事件』で”男性2名と女性1名の人体の一部が欠損した状態で見つかっている”
とあったように、彼らの身体を使ってレイジとトモエは無理やり大人の身体を得た状態でいます。
本作のラストでもトモエが言っていたように、見た目は男性ですがトモエは「女性」です。
アリスはレイジとトモエの「子供」で、アリスにはサヤカの脳が全移植されています。
アリスはまぎれもなくレイジとトモエが近親相姦で得た子供であり、
ラストでは、歩行不全などの様々な異常が出てきてしまっている状況にあります。
アリスもおそらく短命であり、レイジとトモエは生きるため
(アリスに全移植したサヤカの脳には、レイジとトモエの脳の一部があるので)に
また次の子供に、サヤカの脳を全移植していかなければいけません。
そんな状態で”生(きること)”をつないでいるので、
彼らも悠長に敵の動向を探っている場合ではないことがわかります。
レイジとトモエの復讐の方向は、(本作中の)”政府”であることは明らかですが
彼ら自身、無差別に敵の誰かを殺そうなどとは考えておらず、
カズヒトに研究を依頼した”組織”やその大元である”政府”が今どういった構造にあるのかを
見極めたうえで、彼らなりの復讐(対処)をすると思います。
そういった意味で 本作よりもここからが、レイジとトモエがメインで動くことになると思います。
レイジは、どちらかと言えば「自分の身を犠牲にしてでも事を成す」という意識が強いですが
トモエは「生き残る」ことが目的となっているので、彼ら仲が悪いですが
お互い無謀な事を起こして早々死ぬような真似だけはしないように思います。
彼らは、ここから二人だけで行動するのか……結末はどうなるのか……
今回はここまでとなってしまいましたが、興味を持ってもらえましたら
この先を考えて頂けるととても嬉しいです。
▼ キャスト様への事前配布資料 : ストーリー経過

” 白椿 ” の花言葉は、” 完璧な美 ”
カズヒト を殺したのは、本当に サヤカ ……?
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サヤカがカズヒトに渡した花束は、白椿(しろつばき)。
完璧すぎる面ばかりが浮き彫りになっていたカズヒトにも、
サヤカの目には彼自身のやさしさが映っており、
二人が出会った当初、サヤカもカズヒトもお互いのことを好きだったのだと思います。
カズヒトも、「万能な者同士を掛け合わせた時こそ……」と言う台詞がありますが、
台詞の内容はどうあれ、サヤカを何よりも優れている(特別である)と見ていたのかもしれません。
カズヒトを殺した(動作として”殺すように動いた”)のは サヤカで、サヤカにも
衝動的ではありましたが、カズヒトを殺める意思があったことに間違いはありません。
ですが 当時、サヤカの脳には3分の2のレイジとトモエの脳が移植され、
彼らの統一した感情(カズヒトへの殺意)は
サヤカがカズヒトを殺すという行動に影響を与えた可能性があります。
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本作では、物事の一側面(表面)しか見えていないキャラクターの裏側を
各キャラクターの目線や会話であったり、視聴者様 独自の目線で読み解いて(または想像して)
楽しんで頂ければいいなと思いながら話を考えましたが、
時間の関係上、掘り下げられなかったキャラクターやシーンが多々あり
分かりづらい箇所もあったように思います。
ただ 本作のキャラクターも、実際の社会もそうですが
端から見れば突飛に見える、不審に見える誰かの行動や考えには
そうなるに至った内外的な要因があり、
その原因に行きつくことができれば、突飛に見えたその人の行動が
もしかしたらその場の最善の行動だったのかもしれないし、
悪人に見えたその人が、善人だったのかもしれない(逆もまた然りですが……)
と気づくきっかけになるように思います。
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サヤカのことを好きだったカズヒトが、なぜあのような研究に踏み切ることになってしまったのか……
と言うのも、カズヒト自身のことだけではなく
彼に研究を依頼していた本作の組織(政府)や社会背景などの外的要因も、
カズヒトと言うキャラクターを理解するためには重要だったのですが……
本作は、黒幕に踏み込む手前の話までとなってしまったので
ラストのつづきは、今の所 視聴者様のご想像にお任せする形になってしまいました。
ここからのつづきはまたどこかで……。
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